最大の遺産とは？（薬師寺シリーズ12回目）

薬師寺　東回廊

高田好胤師の法話集より、第12回目

親が子に、子が親に、夫が妻に、妻が夫に

お互い、慕わしいもの同士が残しあう

最大の遺産は何でしょうか？

動産不動産か？金銀財宝か？書画骨董か？

それはそれで、有難いご遺産かもしれないが

それがある故に返って、兄弟であっても

敵同士の関係に落とし込まれることがよくある。

このような状況を引き起こすモノを

どうして最大の遺産だと言えますでしょうか？

それでは、何が最大の遺産か？

私は、「死」　そのものが

最大の遺産だと言いたい。

その死をどのように受け止めて、

その死をどのように生かせてもらうのか

それが、あとに残った者が、

先立たれた方々への果たすべき、

一番大切な務めであると思うのです。

（筆者の独り言）

私たちが、今日この世に生きることができているのは

ご先祖様をはじめとする多くの方の

命の遺産の上にあることに

改めて気づく必要がある。

とりわけ、身内の「死」は私たちの心に

何を残してくれたのか。

その命の遺産の上に、私たちが居て

自分の人生を生きることができている。

良いことも、悪いと思うことも

いろいろあるだろうが

全てが学びである。

この成長の機会を与えてくださった尊い命に

私たちは申し訳が立つ生き方ができているのだろうか。

今一度、自分を見つめなおしたい。

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