前世療法とは?

前世というと、輪廻転生の考えをお持ちでない方には少し理解しがたいかもしれません。前世療法は退行療法(regression therapy)の一つで、アメリカの精神科医ブライアン L・ワイス博士が1988年出版した「前世療法」(洋名:MANY LIVES、MANY MASTERS)が世界のベストセラーになったことから日本でも広く知れ渡ることになりました。

前世療法

その内容は、ワイス博士が治療中に体験した実話です。博士がある女性の患者に対し催眠療法で幼い頃の記憶の中に問題の原因を探そうとしますが、核心部分がなかなか見つかりませんでした。しかたなく、問題の原因となっている時までさかのぼるようにと指示したところ、今世のものとは明らかに違う別の時代の記憶がその女性の脳裏に次々と甦ってきたのです。

その場面に向き合うことによって女性の患者の心の問題がしだいに改善されていく過程がそこには記されています。

前世が本当にあるかないかという議論は前世療法を行う上であまり重要ではありません。仮に前世を信じていない人でも催眠状態では、自分が思ってもいなかった国や時代そして、そこに生きる自分の姿が浮かんでくるのです。

そして、その前世の人生の中には、今のあなたが気づかなければいけない大切な事が含まれているのです。

潜在意識がその前世の人生を通して、自分自身に気づかせたい何かをと思い浮かべさせるものですので、それを感じ取って下さい。

ブライアン・ワイス 藤野純江

ブライアンL・ワイス博士と
(2014年7月 ニューヨーク州 ラインベックにて)

ヒプノセラピーでは、頭で考えて作っているわけでないのに、潜在意識から自然に浮かんでくる感覚によって自分だけに分かる大切なことを感覚的に感じ取ることができるのです。それは、一見不思議に思うかもしれませんが、誰もが持っている潜在意識は常に自分自身をより良くしていこうとする働きがあります。ただそれを普段の意識ではなかなか気付くことができないわけですが、催眠状態になることでそれが何だか分かってくるのです。

前世療法における圧巻の場面は、前世の人生が終わった後に現れる”マスター(MASTER)” と呼ばれる存在との対面の場面です。

マスターはあなたの魂をいつも近くで見守ってくれている大いなる存在で、全ての物事に精通しています。そして、今のあなたに最善のメッセージを与えてくれるのです。

この場面については言葉で表現ができないくらい神秘的な感覚に陥ることがよくあります。普段の自分の感覚では感じることが出来ない最大級のメッセージが与えられることも多くあります。

マスターの言葉を深く心に感じて、これから先の人生を素晴らしいものにして下さい。これから進むべき未来の道筋が明らかになることでしょう。

また、前世療法で気づいたことで前向きに生きて行った場合、例えば5年後10年後の自分はどうなっているのか未来の自分を思い浮かべてみることもできます。

この前世療法ではあなたの現在の心の状態を反映して最善のものが現れてきます。

これは、心には普段の意識と潜在意識には補償作用があり、心の全体性を回復させようとする機能が備わっているとする、カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung:精神科医、心理学者)の理論に基づいたものであり、オープンセサミの前世療法はこの理論に基づいて行っています。そして、方法論としては、前述の”ブライアンL・ワイス博士の方法を基本に行っています。

前世療法を行うことは、魂の大きな成長の流れの中で現在抱えている問題を捉えるということでもあります。このことで、問題が生じている意味を理解することができ、問題を軽減させることができるヒプノセラピーの中の優れた方法の1つです。