ヒプノセラピーとは?

ヒプノセラピーとは、「催眠状態」を使って行うセラピーです。では、催眠状態を使うとどのような利点があるのでしょうか。

それはまず、催眠状態を使うことで潜在意識※1と直接つながることができるようになる点が挙げられます。

潜在意識とは、人の意識の深い部分を指し、普段はなかなか気づくことができない領域のことで、その中には感情や感覚、そして過去の記憶やイメージが蓄積されています。

私たちは、今日までいろんな経験を通してさまざまな感情や感覚をもつようになり、それをさまざまな物事や出来事と関連付けて認識しています。その認識は人によって少しずつ異なっていますので、物事や出来事によって人それぞれの感情や感覚が潜在意識の中から一方的に浮かび上がってくるのです。

下記は、この潜在意識の2つの主な特徴です。

  1. 潜在意識の中に入った感情や感覚は、良いものであっても悪いものであっても、一方的にその影響を心や体に与えようとする。
  2. 潜在意識は、イメージと現実を同一のものとして認識する。

 
1つめの特徴が間違っていなければ当然、潜在意識には良い感情や良い感覚をたくさん入れておきたいし、逆に悪い感情や感覚を減らしたいと思いますよね。ヒプノセラピーではそれを可能にすることができるセラピーなのです。

もう少しご説明します。もう既に、ヒプノセラピーでは催眠状態を使うことで潜在意識と直接つながることができるようになるとお伝えしました。

すると、潜在意識の中にある膨大な記憶やイメージの中から必要なものを引き出すことができるようになり、自分にとって不要な感情や感覚を良いものに変容させたり、取り除くことができるようになります。

このことは、問題を単に表面的に解決するのではなく、問題が生じた過去のある場面までさかのぼり、根本原因から解消することができるようになることを意味しています。

それだけではありません。

自分にとってこれから必要となる感情や感覚を潜在意識に新たに組み込むことができるようにもなるのです。未来の自分がいつも感じているはずの感情や感覚を入れるのです。

それには、イメージを利用します。

セラピーでは催眠状態の中で、セラピストの働きかけにより未来のポジティブなイメージを可能な限り膨らませて臨場感いっぱいに感じていきます。

すると、その時に感じるポジティブな感情や感覚は増大し、潜在意識の中にしっかりと入れることができるようになるのです。

潜在意識はイメージでも現実だと認識しますので、イメージを使って入れた感情や感覚は現実に感じて入った場合と同様にそれに応じた良い影響を心や体に与えようとしてくるのです。

これが現在主流となっているヒプノセラピーの要旨です。

※1心理学用語でいう「無意識」の意